半導体業界と中国文化:冷たいビールが苦手な理由とビジネス対応術

海外文化と出張実体験

中国への出張や旅行経験がある方は、外食や宴会で「冷たいビールを頼んだのに常温が出てきた」という経験をお持ちかもしれません。中国の外食産業で出される飲み物は、真夏であろうが、基本的にキンキンに冷えているものが出てくることはありません。

中国では、飲み物が基本的にぬるい、または常温で提供されるのが一般的です。日本人にとっては、夏の暑い日に冷えたビールが恋しくなるところですが、なぜ中国人は冷たい飲み物を避けるのでしょうか?

炭酸系のもの、例えばビールであったり、コーラであったり、サイダーであったりしても同じことで、基本はすべて「ぬるい(常温)」です。また中国出張の際は、ほとんどの方は飛行機で移動されると思いますが、日本の航空会社の飛行機であれば冷えたビールが提供されますが、中国の航空会社の飛行機では例外なく飲み物はぬるいです。

この文化の違いは、ビジネスでも重要なポイントになります。特に、半導体業界などで中国の企業と関わりが深い方にとっては、このような文化を理解しておくことは非常に有益です。この記事では、その理由と共に、中国文化における食の習慣やビジネスでの対応の仕方を紹介します。

飲み物がぬるい(常温)理由は?

飲み物がぬるい理由は何なのかを複数の中国人に聞いてみたところ、「お腹を冷やさないため」とか、「身体を冷やすと健康に良くない」とか健康を意識した似たり寄ったりの答えでした。

中国人にとって、飲み物がぬるいのは健康を守るためだという考え方があります。冷たい飲み物は身体を冷やし、消化を悪くする可能性があるとされており、特に子どもの頃から「冷たいものは健康に良くない」という教えが根付いています。

この考え方は生活全般に影響を与えています。小さいころから両親から日常的に教えれらたことであり、普通の中国人にとっては体に染みついている高い健康志向に基づく「教え」なのです。長年の伝統や家庭での教育から来ているもので、冷たい飲み物に対する文化的な抵抗感として表れています。

それに対して、日本人は飲み物は冷たいものが普通に好きですよね。ビールやコーラなど炭酸飲料を飲む際には、冷たいものでないと飲みにくいとさえ感じますよね。夏のくそ暑いさなかに「お腹を冷やさないようにビールはぬるいものが良い』なんて考えている日本人は皆無でしょう。

現地で冷たいものが飲みたい時はどうする?

とはいえ対策はあります。中国で冷たいビールが飲みたい時には、日本食レストランに行けば瓶ビールでも生ビールでも必ず冷えています。

ただし日本食レストランにも色々あるのでそこはご注意を。時々ローカル色の非常に強そうな日本食レストランに入ってしまった場合には、ぬるい青島ビールしか置いていないなんてことにまれに遭遇します。しかし日本食レストランに入ればかなりの高確率で冷たいビールや飲み物を飲むことができると思います。

中国系の飛行機の場合は、さすがに諦めるしかないと思います。中国国内線をよく利用される方は常温でのビールにも慣れていきましょう。

ホテルで食事する場合なら、四つ星以上のホテルなら下のように聞いてみましょう。

有 冰 啤 酒 吗 ?
yǒu bīng pí jiǔ má
冷たいビールはありますか?

きっと出てくると思いますよ。

他にもある中国人が苦手なもの

冷たいビール以外でも、日本人は好む傾向があるけど、中国人は苦手だという飲食物を取り上げてみました。

地方に行くほどその傾向は強く、冷えた食べの生ものを中心に、嫌いというより「中国人にとって食べることを恐れているもの」と言えるかもしれません。

中国出張の多い方や中国人と関わることの多い方ならご存じの方も多いと思いますが、参考まで苦手列挙してみました。

生たまご

私の感覚では、これが中国人が食べないもの(苦手なもの)No1だと思います。

日本では卵かけごはん好きな人はいっぱいいると思いますが、今まで中国人で卵かけごはんをしてる人は見たことがありません。

理由はいたってシンプルで、衛生上の問題で中国の卵を生で食べるのは本当に危険であるとの認識が定着しているためです。なので日本人も中国出張時に中国の卵では、あえて卵かけごはんにして食べない方がいいです。

さしみ

基本的に中国では火を通さないものは食べないので刺身も一定数の食べない人がいます。

しかし最近は日本の寿司チェーンなどの進出などもあり、生魚が普通になりつつあります。特に私が出張に行っていた大連など海辺の街では海鮮料理店で普通に刺身を食べることができるでしょう。

納豆

これは生であるとか、火を通すとかの問題ではなく、「ねばねばして気持ち悪い」「においがダメ」など衛生面の話ではない純粋に口の中に入れることに抵抗を感じるものであるという理由でしょう。

確かに日本伝統の発酵食品であり良質なたんぱく質を有する栄養価のとても高い食品なのだと日本人の誰もが知るところではありますが、その匂いは確かにあり、日本人でも好き嫌いの大きく別れるものではあります。

元々健康志向の高い中国人の皆さんなので、今後流行ってくるかも知れません。

生野菜

生野菜は日本では誰もが普通に食べますが、これも中国人は火が通っていない理由から基本的には食べません。中国では生は食べるのにやっぱり抵抗があるのです。冷たい物を身体に摂取するのは健康的では無いと小さい頃から教えられている様です。

もう一つ中国人が生野菜を食べる習慣がない理由があります。それは中国内での野菜の栽培において、未発酵の有機肥料がまだ多く使用されており、寄生虫の卵が死滅してない可能性を恐れているからです。

良い悪いの問題ではありません。食文化の違いです。小さい頃からことあるごとにおじいさん、おばあさん、お父さん、お母さんから叩き込まれたことはそうそう簡単に抜けるものではないともおもいます。

しかし日本はじめ外資企業が中国に多数進出して、海外の食文化が伝わり、最近は日本食レストランや洋風レストランを中心に提供するお店がかなり増えています。

しかし海外との密接な関与が避けられない半導体業界においては、こうした文化の違いを熟知しておくことは非常に重要です。特に国際的なビジネスシーンでは、こうした食文化の違いを事前に理解しておくと、交渉や人間関係の構築において大きなポイントとなります。例えば、中国のパートナーと食事を共にする際には、相手が何を好み、何を避けるかを理解しておくことが成功の鍵となります。

まとめ

中国の食文化の理解は、単に旅行や出張の際に役立つだけでなく、ビジネスを円滑に進めるためにも重要です。食事会や懇親会の乾杯の時にも独特のマナーがあるので注意が必要だったりします。

特に、半導体業界のように国際的な関係が深い業界では、文化的な違いをしっかりと理解し、適切に対応することが求められます。異文化を理解し、尊重することはビジネス上の信頼を築くことにもつながるのです。

最近はだいふ変わってきた

でも最近は変わってきているとおもいます。ここ10年ほどで、生たまごは相変わらずダメですが、ビールなどの飲料は冷えたものか、常温かを選択できるところが本当に増えましたし、刺身や生野菜は、日本食レストランや洋風レストランでは普通に食べられるようになりました。

しかしあなたが半導体業界でのキャリアを考えているのであれば、国際的な感覚を養い、異文化に柔軟に対応する姿勢は常に持ち続けなければなりません。

また、業界内でのネットワーク構築やキャリアアップを目指すためには、専門的な支援を受けることも一つの方法です。私が信頼する就活エージェントを紹介するページもご用意していますので、以下のページをぜひチェックしてみてください。

最後までご覧いただきありがとうございます!

コメント