半導体業界で30年以上の間、製造技術エンジニアとして、製造ラインの立ち上げや技術開発に従事してきた私にとって、中国は切っても切れない関係にある国です。これまで数えきれないほど中国への出張や駐在を経験し、そのたびに現地の文化や習慣に触れてきました。
特に印象的なのは、仕事以外の場面で見える文化の違いです。たとえば、中国のレストランで聞こえる声の大きさ。日本人の感覚からすると驚くほど賑やかで、初めて中国を訪れる方は戸惑うことが多いでしょう。
私自身、長期出張中には日本的なサービスが恋しくなり、ウィークデイには日本食レストランに足を運び慣れ親しんだサービスと味に癒しを求める日々でした。
どういう癒しかというと、中国でも大きめのレストランに行けば「欢迎观临」と言ってくれることはありますが、大部分は「無言」でのお出迎えです。それに対して日本食レストランに行くとほとんどの店で、「いらっしゃいませ~」という日本語が聞こえてきます。
あと、日本食レストランに行くとおしぼりやお茶が普通に出てきます。更にローカルレストランではほとんど見ることのないキンキンに冷えたビールも日本食レストランならば高確率で準備されています。中国人が冷えたビールや飲み物を好まない理由は、下の記事をご覧ください。

それといくつかの日本食レストランでは、日本のテレビ番組やビデオが営業時間中ずっと流れてます。このように中華のローカルレストランではなかなかお目にかかれないサービスも日本食レストランなら準備されていることが多く、日本人客に対応するため、できる限り日本の環境を再現するべく、工夫や努力をされているのがよくわかります。
しかしそんな日本食レストランであってもどうしても日本の環境を踏襲できず、現地文化が大きく影響していると感じるのが「店内の活気」というか、中国人の声の大きさです。
端的にいうと店の中がうるさいということです。人の声が大きいのです。とくに中国の方のしゃべる声が大きいのです。
もちろん居酒屋などでは、日本人もグループの場合は、ある程度騒がしくはなりますが、中国人の声の大きさには到底かないません
良く観察してみると、酒に酔ってるわけでも喧嘩をしてるわけでもないのに、やたら声だけがが大きいです。
これは単なる音量の問題ではなく、教育や文化的背景、そして社会的なコミュニケーションスタイルなどが深く関係しています。半導体業界で働きたいとお考えのみなさんは、こうした文化の違いを根本から理解しておくことが現地スタッフや取引先との信頼関係を築き円滑なコミュニケーションを築く上で非常に重要となります。
この記事では、中国人の声が大きい理由を「発音」「教育」「自己主張」「コミュニケーションスタイル」の4つの観点から深掘りしていきます。これから半導体業界を目指す方や、すでに海外でのキャリアを意識している方にとって、現地での仕事やコミュニケーションに役立つヒントになれば幸いです。
また、記事の最後には、異文化理解を深めながら半導体業界でのキャリアをスタートさせるためのおすすめ就活エージェントもご紹介します。私の経験をもとにお話しするので、ぜひ最後までお読みいただき、キャリア形成の一助としていただければ幸いです。
中国語の声調をはっきり発音するため声が大きい
まず中国人の声が大きい第一の要因として、中国語の声調が大きく関与しているのではないかと考えられています。
中国語の声調は、『四声』といわれる4種類の音からなる発音方法で、同じピンイン(発音)でも声調により意味が変わるので、大きな声で発音しないと正確に意味が伝わらないことがあります。
広大な面積で十何億という人口の中国で、四声のある中国語の意味を正確に伝えるには、自ずと大きな声になってしまうのかもしれませんね。
中国では「声が大きいことは良いこと」という教育により声が大きい
日本では「他人に迷惑をかけない」ということを第一にかかげることが多く,子供達にもそういう教育をしているのが多数派だとおもいます。
なので公共の場では、「必要以上に騒がず、静かにする」のが、多くの日本人のスタンダードではないでしょうか?
しかし中国では、古くからみんなでワイワイと楽しく過ごし、大きい声をだすのは良いことだとおしえられます。大きい声は「賑やか」と「楽しい」の象徴であり、声が大きいことはむしろいいことであるという位置付けとなっています。確かに良く言えば「賑やか」ではありますが、悪く言えば「うるさい」となります。日本と中国の声のボリュームのボーダーラインは確実に異なります。
中国では自己主張しないと誰にも相手にされないから声が大きい
中国は多民族国家であり、人口は13億人で日本の約10倍程度と言われています。
なので大きな声で自己主張しないと、誰も相手にしてくれないので、みんな声が大きいのではないか?という説もあります。
人口や人種が多い国では、自分が損しないように大きな声で自己主張をするのは、コミュニケーションの基本と考えられています。
また自分のいってることが間違っていたとしても、大声でアピールし、自分の主張を押し通そうとする傾向もみられます。
中国では他人の悪口を言ってない意思表示のために声が大きい
第四の要員として、第3者の悪口を話していないことを証明するため、中国人は周りに聞こえるように大きい声で話しているともいわれています。
それは意図的に周りに聞こえるように話し「あなたの悪口は言ってませんよ」との意思表示だとのことです。
逆に中国人の前で、小さな声で話し合っていたら、悪口を言ってると勘違いされる可能性があるので注意が必要ですね。
まとめ

中国の方の声が大きいのは何故かご理解いただけたでしょうか?大きくは以下の4つの理由があります。
今後も中国のレストランを頻繁に利用する方や、中国人と宴会や会食をともにする機会のある出張者や駐在者の方は、更に中国の習慣や文化に精通していただきたいです。
それにはある程度の語学力も必要となります。企業の出張者、駐在者の方で中国語のスキルを伸ばしたいかたはこちらの記事をご参照下さい‼️

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