“中国人は謝らない”と思ったことがある方はいらっしやいますか?
なぜ中国人は謝らないのでしょうか?人は誰でも過ちを犯すものです。
自分に非があると思えば素直にすぐに謝罪しようと思うか、その時は血が昇ってそんな気にはなれなくとも時がたてば反省し、「あぁ俺がわるかったな」と後で謝罪に転じることもあるでしょう。
しかし中国人はそうそう簡単には謝らないという印象です。
今回は中国人が謝らない理由がいったいなんなのか、見ていきたいと思います。
中国人が謝らない理由は、主に以下の3つだと考えられます。
- 自分の面子をまもりたい
- 自分の非を認めたくない
- 親しい間では謝るのはよそよそしい
これらのことを知れば、もしかしたら謝らない中国人の気持ちがちょっとは理解できるようになり、今後中国や中国人と関わる際に何かの配慮ができるかもしれません。
それでは順番に見ていきましょう。
1.自分の面子を守りたい
中国は面子を重んじる国であることは、皆さんも聞いたことがあるかとおもいます。
中国での食事の主催者は、必ず食べ物を余らせるほどの量でおもてなしをするのです。これも「すごいおもてなしでしょ?!」というまさに面子なんですね。
更に人前で頭を下げるという行為も、中国人的にはNG。日本人のように道で会っただけで、何度もお辞儀をすることもありません。
人の頭を叩くなんてのも論外でバラエティ番組で、お笑い芸人が「ツッコミ」で相方の頭をたたくなんて中国では考えられません。
中国では小さい頃から親や親戚から『人前で恥をかくことのない人間になりなさい』と教えられ、代々面子の文化が親から子へと引き継がれているのです。
「男儿膝下有黄金」男の膝の下に黄金がある」という有名なことわざがあります。これは神様や親、年配の親戚以外、男なら決してひざまずいてはいけないという中国人の意識のあらわれだそうです。
なので謝罪することよって、面子が傷つくことは絶対にあってはならないことなのです。
なので中国には「日本人のように簡単に謝る」という文化はありません。
つまり『謝罪する=自分の面子が傷つく』ということに直結します。このため身体が謝罪を避けるようになってるんだとおもいます。
中国人にとっての面子は何ものにも変え難い、まさに中国人のDNAそのものとも言えます。
2.自分の非を認めたくない
中国人は日本人の謝罪の言葉は軽すぎると思っているようです。確かに日本の日常では、『ごめんなさい』『すみません』はその後の人間関係を円滑にそしてスムーズにするために何はともあれ必要だと考えます。
本心はどうあれ「とりあえず謝っておこう」という程度の認識の場合が多いのではないでしょうか?そして日本人では謝罪すれば大体は事なきを得ることができてしまいますね。
一方中国人から見ると、日本人が簡単に謝罪するのは、謝るだけで一切責任を取らず、あたかも責任逃れをしてるように写っているようです。
中国人は謝罪すると自分に非があり、全責任が自分にあると認めることになると考えます。またそこから生じた責任や賠償は、すべて負う覚悟がなければ謝罪してはいけない。。。と考えてしまうようです。
このように中国人は謝罪に対してはとても敏感にそして厳格に考えますので、ちょっとやそっとでは謝りません。
これがビジネス上のことであれば尚のことです。
そもそも謝罪することにより、責任は負いたくないし、辞職や退職に追い込まれ、生活ができなくなる可能性もあると思えば、安易に謝るようなことはまずしません。
なので日本人から見れば、思わず吹き出してしまいそうな言い訳をしてまでも、中国人は謝罪を避けようとするのです。
以前私の勤務先の中国駐在員(監督者)から聞いた話です。
更衣室で、ある中国人のロッカーから紙くずのようなものが、まさに皆の目の前でひらひらとこぼれ落ちてきたので、軽く指摘したそうです。
すると、「おかしいなー。こんなゴミなかったけどなー。風でも吹いてきたのかなー。」と現行犯であっても頑として「すみません」とは言わなかったそうです。
非を認めると、どのような責任を取らされるかわからないという心理が先に立つのでしょう。
日本は謝罪した人に対して寛容である代わりに、すぐに謝罪の言葉を相手に期待してしまいます。
逆に中国では謝罪した人に対して大変厳しい文化なので、中国人は頑として謝りませんし、相手も謝罪してくれるとは思ってもいません。
なので日本人からすると、中国人は『言い訳をして謝らない!』と写ってしまいますが、この辺りの文化の違いを理解すると、なんとなく腹も立たなくなると思います。
3.中国では「親しき中には礼儀なし」
日本では「親しき中にも礼儀あり」という言葉があります。いくら親しくても感謝や謝罪、挨拶など礼節を重んじるということですね。
中国でも同じ意味の言葉はあります。
亲密也要有个分寸
qīn mì yě yào yǒu gè fēn cun
しかし中国では全くの逆で、中国では親しき仲こそ礼儀無しという感じなのです。
なので中国人の家族は家族内で「ありがとう」や「ごめんね」などの言葉は発しません。これも先程説明したように面子を家族内でも守る必要があるからなんです。親しい人となるとなおさら言えない言葉なのです。
例えばみなさんは待ち合わせで友達を待たせた場合「ごめん待ったー?」や「お待たせー」という言葉をかけるのではないでしょうか?
では、中国ではどうでしょうか?
遅刻してきた側が「じゃ行こう」と言う状況が一般的です。
日本人には全く理解できないですが、これが親しい友達ならば遅刻しても気にしないはずだ。という考え方ですね。
このような文化を理解するためには中国人と会話することが何より重要だと思います。
それにはある程度の中国語の学習が必要となります。中国語のレベルアップしたいとお考えの中国出張の多いサラリーマンや既に中国に赴任しておられる駐在の方には、こちらのページも是非ごらんくださいね。
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