スーパーでバイトを始めたいとお考えのあなた。
「生鮮食品をカットしたり、焼いたり煮たりするのはちょっとなあ。」
「コロッケや天ぷらを揚げたり、お弁当作りとかもしたくないなあ。」
いわゆる仕込み作業が好きでない人ですね。
「レジや接客もあまり得意じゃないなあ。」
なんて人もいるんじゃないでしょうか。
そんな人は品出し専門の部門がおすすめです。
そんな部門がスーパーにはあるんですよ。
『グロサリー(加工食品)部門』といいます。
この記事では、大学時代3年間スーパーのバイトをやり続けた私が、その経験をもとに『グロサリー(加工食品)部門』とは何か、そしてその仕事内容とメリット・デメリットについて解説したいとのいます。
スーパーのグロサリーとは
まずグロサリーとは何なのかを説明します。
あんまり聞きなれない言葉ですね。
スーパーでいうグロサリーとは鮮魚や青果のような生鮮食品ではなく、加工済みの食品を指します。
冷凍や冷蔵のいらない常温の陳列棚に並べられているもので、賞味期限が長く日持ちします。
グロサリー部門で扱うものを具体的にみてみましょう。
- 砂糖、塩、醤油などの調味料
- ラーメン、そば、レトルトカレーなどインスタント食品
- ガム、チョコレート、スナック菓子などお菓子類
- お米、味噌、小麦粉など調理材料
- 各種缶詰め、瓶詰め品
- 水、ジュース、コーヒーなどの飲料水
- 台所用品や洗濯用品、衛生用品などの簡単な日曜雑貨
もうあげきれないほど多岐にわたります。
軽いものから重いものまで非常に幅が広いのが特徴ですね。
グロサリー(加工食品)部門のバイトの仕事内容
検品・入荷
スーパーでは毎朝いろんな業者が、商品をトラックに載せて納品にやってきます。
トラックの荷台からスーパーの台車に商品を積み換えて、作業場の入り口までは業者の人が運んでくれます。
検品作業は台車に荷物を積んだ状態で、まずあなたが伝票を見ながら品目を読み上げます。
そして業者がその品目の数量を数えます。
伝票の品目と数量が合致しているかをお互い確認できればOKです。
グロサリー部門では種類が多岐に渡り細かいので、他の部門に比べ検品回数も多くなりますし、時間もかかります。
検品が終われば荷物をスーパーの倉庫や作業場など、所定の場所に台車からおろします。
その際には先に入荷したものが上になるように積み上げます。
入荷した順に売り場に出せるようにするためです。
これを「先入先出し」といいます。
品出し
スーパーのグロサリー部門のバイトでは、品出しがメインの仕事です。
品出しとは入荷した商品を台車に積み込んで、売り場に持っていき陳列することです。
グロサリー(加工食品)部門の品出しは、開店前が1番忙しくなります。
なぜなら特売品や広告の品などのイベント品の準備が必要だからです。
イベント品は主に店頭や、レジ前のスペース、定番棚の両端の「エンド」と呼ばれるスペースに売り場をつくります。
人の行き来が多いところなので、開店前にやる方がお客さんの邪魔にもなりません。
開店後もイベント品は、お昼や夕方に一気に売れることが多いです。
その際商品が、よりたくさんのお客さんの目に触れるようにしなければなりません。
開封されず段ボール箱のまま積み上げられているだけのものは、箱から出したり、カッターで段ボール箱の高さを半分にカットして、中の商品を見えるようにします。
お客さんの多い時は品出しと売り場のメンテナンスを、随時バランスよくやる必要があります。
イベント品の品出しが終われば、定番棚の商品を補充していきます。
グロサリー部門の定番商品は生鮮食品に比べると、賞味期限は長い物が多いです。
一気にものがなくなることはすくないので、減っているものから順に補充していく感じでオーケーです。
前進陳列
スーパーの大事な仕事の一つに「前進陳列」というのがあります。
商品が売れると徐々に売り場が荒れてきます。
そうなると商品が陳列棚の奥の方に入ってお客さんから見えなくなってしまいます。
前進陳列はそんな商品を奥から引っ張り出して、陳列棚の最前面から順番に整列させて陳列していくことをいいます。
「〜さん、前陳(ぜんちん)お願いねー」
などと言われたら前進陳列をしましょう。
その際のポイントがいくつかあります。
- 商品名の書かれたラベルが前に来るように向きを揃えてならべる。
- 日付の古いものから前面にくるよう陳列する
- 陳列棚の奥にものが眠ってないかよく確認する
- 前進陳列しながら発注すべき品目を確認しメモする。
- 品出しが落ち着いたら随時前進陳列をおこなう
バックヤードの整理
グロサリー部門のバイトは、陳列棚に不足している商品をバックヤードから補充するのが仕事です。
しかしバックヤードにも、ものがなければ補充できませんね。
そのためにはバックヤードの整理をして、在庫を常に確認しておく必要があります。
またックヤードに日付の古いものを停滞させてはいけません。
日付の古いものは常に、「下ではなく上に置く」「奥ではなく手前に置く」という、「先入先出し」の考え方を常に意識するようにしましょう。
これはスーパーのような流通業だけでなく、製造業や農業、サービス業などあらゆる業種の基本となる考え方ですね。
発注
グロサリー部門のバイトの仕事では商品の発注を任されることがありめす。
発注作業は補充すべき商品がなくなる前に行う必要があります。
逆にいうと、バックヤードに在庫がたくさんあるのに発注する必要はないわけです。
グロサリー部門のバイトは「品出し」→「前進陳列」→「バックヤードの整理」のループを繰り返すことによって、発注するべき品目を見極めなければいけません。
発注をかけるポイントは店により決まっていることが多いと思いますが、このループを繰り返し、精度の高い発注をしなければなりません。
ただし入ったばかりの学生バイトに発注をまかせるスーパーはないと思います。
発注は売り上げ利益に直結しますので、ベテランの域に達した人でないと任せることはなかなかできないでしょう。
また売り上げ集計により、自動で発注数量が決定される場合もありますので、店の方針により発注方法は異なります。
見切り(値下げ・廃棄)
商品として成り立たないほどいたんだものや、賞味期限の過ぎたものは廃棄しなければなりません。
グロサリー部門のバイトは、前進陳列やバックヤードの整理をする際には賞味期限や商品の状態の確認も必要になります。
生鮮食品は賞味期限が短いので時間が来たら「半額シール」を貼って売り切る処置をすることが多いです。
しかしグロサリー部門のバイトでは「半額シール」を貼って回ることはほとんどなく、賞味期限が過ぎてないかどうかのチェックして、過ぎていれば所定の記録をして廃棄します。
でも賞味期限切れを探すのが、そもそも結構大変です。
賞味期限切れの売れ残りがいつまでも陳列棚の奥の方に眠っていると、店の信用もガタ落ちってことがないように、前陳の際には目を光らせる必要がありますね。
閉店作業
さあやっと閉店時間が近づいてきました。
生鮮部門のバイト達は作業場の掃除をせっせとやっています。
グロサリー部門のバイトは作業場はありませんので作業場の掃除はありません。
しかし品出しした後のゴミは大量にあります。特に段ボールや包紙、ビニールやラップの残骸を集めて廃棄しなければなりません。
また他部門の冷蔵庫への保管対象品の引き上げを手伝ったり、
配電盤の電気を落としたり、
鍵を閉めたり…。
作業場の掃除をしない代わりにできることをして回るように心がけましょう。
グロサリー(加工食品)部門のバイトのメリット
仕込みがいらない
グロサリー部門のバイトは、商品が入荷したらバックヤードに保管し、売り場を確認したら即品出しをします。いわば品出し専業部門ですね。
つまり煮たり焼いたりの調理も、カットしたりラップしたりの仕込み作業もいりません。
仕込み作業が苦手という方には、グロサリー部門のバイトの仕事はうってつけだと思います。
ただし他部門の応援に入ることは多々あります。
そんなときは調理も、仕込みもやることはあると思います。
その程度は辛抱してやりましょう。
掃除が楽
グロサリー部門のバイトには専用の作業場はありません。
生鮮部門には大体作業場が設けてあると思います。
それは生鮮部門のバイトは、調理や仕込みをする必要があるからです。
グロサリー部門のバイトは、入荷した商品を品出しすればいいので作業場はありませんが、その代わり他の部門に比べると掃除が楽です。
鮮魚部門は飛び散った魚のはらわたや、グロテスクな魚の頭を集めて廃棄しなければなりません。
デリカ部門はフライヤーの油交換で油まみれになり、ぬるぬるの床をでデッキブラシでこすり上げなければなりません。
それに対してグロサリー部門の掃除は、入荷時に入っていた段ボールをたたんで廃棄するとか、入っていたビニールの袋や梱包材をゴミ袋に入れて廃棄するぐらいのものです。
バックヤードの掃除もホウキで軽く掃き掃除でいいと思います。
とにかく生鮮食品部門の掃除と比べると格段に楽でありそれはメリットといえるでしょう。
接客が少ない
人と話すのが苦手な人は接客は苦痛でしかありません。
スーパーのバイトの中では、グロサリー部門のバイトはかなり少ないです。
接客があるとすれば、商品の場所を聞かれたり、トイレの場所を聞かれたり、閉店時間を聞かれたり・・・。
その程度です。
これくらいは社会勉強と思って対応しましょう。
他の部門と比較するなら頻度も少なく、内容も超簡単なものです。
例えばレジなら「お釣り間違えてんじゃない?」「ちょっと早くしてよーっ」なんて日常茶飯事。
怖い人、無愛想な人、めんどくさい人・・全てのお客さんに笑顔で対応しています。
生鮮部門のバイトなら「このスイカどっちが美味しい?」とか超難しい質問されたりします。
また生鮮食品の場合は商品に対するクレームも多いです。
グロサリー部門の商品は賞味期限が切れていたり、商品として成り立たないほど傷んでない限りはクレームも少ないので、接客が苦手な方には良いですね。
売り場造りでセンスを磨ける
グロサリー部門のバイトは、売り場を作るのが最重要の仕事の1つです。
特に重要なのが、特売品や広告の品の売り場作りです。
この売り場作りはバイト個人のセンスで作り上げるものです。
店頭や、レジ前、定番棚の両端のエンドといわれる場所に商品段ボールを積み上げ、更にその上段二段くらいは段ボールの高さ半分だけカットして商品を見やすく、取りやすく自分なりの工夫が必要です。
豊富な品揃えといかにもお買い得な感じに演出しなくてはいけません。
ポップを貼る位置や、隣り合う賞品にも気を配らなければいけません。
カッコよく売り場が出来上がると自己満ではありますが達成感があります。
グロサリー(加工食品)部門のバイトのデメリット
商品が重い
グロサリー部門の商品は本当に種類が多いです。
当然重量の重いものもたくさんあります。特にペットボトルの水やジュース、ビールやお酒の缶類、サラダ油や醤油など液体のものは重いです。
液体ではなくともお米、缶詰、味噌、砂糖などの段ボールはかなり重いですね。
グロサリー部門のバイトはこれらの重いものもバックヤードから台車に積み込み、何度も品出しをしなければいけません。
女性や高齢者、腰の悪い人にはきつい作業です。
しかし引っ越しバイトや建設現場の肉体労働というレベルの重量ではありません。
普通の若い男性ならいいトレーニングと思えば余裕でしょう。
担当する守備範囲が広い
グロサリー部門の担当する商品群は、種類の上では非常に多く細かくて大変です。
特に定番商品棚への品出しは一苦労です。
私が大学時代バイトしていた時はチョコレートやガムを定番棚に陳列するのが苦痛でした。
形や色がそっくりだけど違う商品そんなものがいっぱいです。
慣れるまでは棚のどこにならべればいいのか覚えるのに時間がかかるかもしれません。
ただし定番商品はそんなに急ぐものではありませんのでマイペースでできます。
孤独な作業が多い
生鮮部門のバイトは仕込み作業がありますので、分業となっていることが多いです。
例えば1人が仕込みで1人が品出しなんて体制のところが多いのではないでしょうか。
生鮮部門はスーパーの『顔』でもあります。
鮮度を保って売れ時に売り場を充実させるためには、連携作業の方が圧倒的に効率はいいです。
つまり生鮮部門のバイトは孤独ではないのです。
連携やチームワークが必要なシチュエーションが多いと思います。
それに対してグロサリー部門は品出し専業です。
仮に複数人体制であったとしても、実施する内容は品出しオンリーなので、一人で完結する仕事になります。
1人で気楽と思える人にはいいと思いますが、わいわいやりながらバイトしたいと思っている方にはちょっと寂しい思いをするかもしれませんね。
ほかの部門のヘルプが多い
決してグロサリー部門は暇ではありませんが、お昼や夕方のお客さんが集まる売れ時には、やはり生鮮部門やレジが大忙しになることが多いです。
そんな時、品出し専業のグロサリー部門のバイトは、他部門の仕込みやレジの応援を指示されることが多いかもしれません。
広告の品や特売品の品出しの時には、ヘルプの指示は出ないと思いますが、定番商品の品出しをしてdo いるときは私が大学時代バイトしていた時も、遠慮なく他部門のヘルプを指示されたものです。
先ほどグロサリー部門は孤独な作業が多いといいましたが、ヘルプの時は孤独ではないのでバランスが取れているかもしれませんね(笑)
まとめ
グロサリー(加工食品)部門にはメリットもデメリットもありますが、それも個人によってはメリットがデメリットだったりその逆もありますね。
グロサリー(加工食品)部門の仕事内容をまとめます。
- 仕込み作業や接客が苦手な方には超おすすめの品出し専業バイト。
- 仕事内容は検品・入荷・品出し・前進陳列・見切り・バックヤードの整理・発注・掃除・閉店作業。
- 生鮮部門の作業場の掃除掃除に比べればグロサリー部門の掃除は楽
- 生鮮食品のような仕込みは不要。
- 接客は商品の場所を教える程度。
- 売り場づくりはセンスを磨ける舞台
- 商品は重いものも多数ある。
- グロサリー部門の扱う商品は多岐にわたり、しかも細かいものが多い
グロサリー部門のバイトはどうでしたか?
ちょっと興味がわいてきましたか?
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