昨今半導体業界は技術革新が激しく、市場の変動も大きいため、しっかりと業界研究を行うことが就活成功の最大のカギとなります。
私は半導体エンジニアとして30年以上製造技術畑を歩んできました。そして何度もシリコンサイクルによる半導体市況動向の変動を経験してきました。
その知見をフル活動させて、特に未経験から半導体業界に転職・新卒で就職を考えている方に有益な情報を提供しています。
この記事では、半導体業界を深く理解するための6つの方法を紹介します。これらを活用することで、業界の動向を把握し、志望動機を明確にし、面接での説得力も高めることができます。半導体業界の志望動機についての詳細はこちらの記事をご覧ください。
半導体業界や半導体関連団体・協会のWEBサイトを閲覧する
半導体業界には、多くの団体や協会が存在し、業界全体の方向性や最新技術の動向を発信しています。
例えば、以下のようなサイトは非常に有益なので半導体業界未経験者や新卒就活者のみなさんは是非とも閲覧してみるべきです。
SEMI（半導体製造装置・材料の業界団体）
半導体製造装置・材料業界の最新動向や市場データを発信している。
JEITA（電子情報技術産業協会）
日本国内の半導体市場や技術トレンドを分析。
SEAJ（日本半導体製造装置協会）
製造装置メーカーの動向や、業界全体の成長戦略を紹介。
これらのサイトを活用することで、業界全体がどのような方向に進んでいるのかを理解でき、将来性のある分野を見極める手助けになります。
半導体業界のトップ企業（世界・日本）のサイトを見る
半導体業界には、世界的に影響力のある企業が数多く存在します。例えば、以下のような企業の公式サイトでは、製品情報や技術トレンド、採用情報などを得ることができます。
世界の大手半導体企業
TSMC（台湾積体電路製造）
- 本社：台湾新竹市
- 設立：1987年
- 特徴：世界最大の半導体受託製造企業（ファウンドリ）。特に先端プロセス（3nm、2nm）の技術力が強く、Apple、NVIDIA、AMDなどが主要顧客。最近では米国・日本への新工場設立も進めており、グローバル展開を強化中。
- 働く環境：エンジニアの負担は大きいが、給与水準は高く、キャリアアップのチャンスが多い。
Intel（インテル）
- 本社：アメリカ（カリフォルニア州）
- 設立：1968年
- 事業：PC・サーバー向けCPU、半導体製造（IDM）
- 特徴：世界最大級の半導体メーカーで、x86アーキテクチャのCPUを長年にわたりリード。近年はTSMCに対抗する形で「Intel Foundry Services（IFS）」を強化し、他社向けの製造ビジネスも展開。先端プロセスの遅れが指摘されていたが、2024年以降「Intel 18A」プロセスで巻き返しを図る。
Samsung Electronics（サムスン電子）
- 本社：韓国（ソウル）
- 設立：1969年
- 事業：メモリ半導体、ロジック半導体、ファウンドリ事業
- 特徴：DRAM・NAND型フラッシュメモリ市場で世界トップシェア。ファウンドリ（半導体受託製造）でもTSMCに次ぐ世界2位のシェアを持つ。AI向けチップや高性能メモリ技術（HBMなど）にも注力しており、AI市場での成長が期待されている。
NVIDIA（エヌビディア）
- 本社：アメリカ（カリフォルニア州）
- 設立：1993年
- 事業：GPU（グラフィックス・プロセッシング・ユニット）、AI向け半導体
- 特徴：GPU市場で圧倒的なシェアを誇り、特にデータセンター向けAI半導体（H100、A100など）の売上が急増。ゲーム・映像処理向けのGPU市場でもリーダー的存在。TSMCに製造を委託する「ファブレス」企業であり、自社では製造せず設計に特化。
Sony（ソニー）
- 本社：日本（東京）
- 設立：1946年
- 事業：イメージセンサー（CMOSセンサー）、半導体製品開発
- 特徴：スマートフォン向けCMOSイメージセンサー市場で世界トップシェア（AppleのiPhoneなどに採用）。高性能カメラや自動運転車向けのセンシング技術にも注力。2020年には台湾のTSMCと共同で熊本に新工場を建設し、製造能力を強化。
日本の半導体企業
ルネサスエレクトロニクス
- 本社：日本（東京）
- 設立：2010年（NEC、日立、三菱の半導体部門が統合）
- 事業：マイコン、アナログ・パワー半導体、車載向け半導体
- 特徴：車載用マイコン市場で世界トップシェア。近年、米DialogやCelenoを買収し、IoT・通信分野でも成長を加速。電気自動車・ADAS（先進運転支援システム）向けの半導体にも力を入れている。
富士通株式会社
- 本社: 東京都港区
- 設立: 1935年
- 事業: 半導体製品、コンピュータ機器、ネットワーク機器などの開発、製造、販売
- 特徴: 半導体の分野では、特に通信機器や高性能ICに強みを持ち、IoTやAIに対応した半導体技術の開発に注力している。IT業界でも大手で、半導体とITの融合に力を入れている。
東京エレクトロン株式会社（TEL）
- 本社: 東京都港区
- 設立: 1963年
- 事業: 半導体製造装置の開発、製造、販売
- 特徴: 半導体製造装置のトップメーカーで、特にフォトリソグラフィ装置、エッチング装置などに強みを持つ。グローバルに展開し、半導体の微細化・高性能化に対応した装置を提供している。
4. アナログ・デバイセズ株式会社（Analog Devices）
- 本社: アメリカ・マサチューセッツ州
- 設立: 1965年
- 事業: アナログ半導体、混合信号ICの開発・製造
- 特徴: 高精度アナログICのリーディングカンパニーで、音声や映像、センサー技術、電力管理など多様な分野で使用される半導体を提供。自動車、通信、医療などの分野に強みを持つ。
セイコーエプソン株式会社
- 本社: 長野県諏訪市
- 設立: 1942年
- 事業: 半導体製造装置、プリンター、プロジェクターなどの製造
• 特徴: 半導体製造装置や精密機器に強みを持ち、特に液晶やプリント基板の製造における技術が評価されている。また、ロボティクスや産業機器の分野でも注力している。
これらのサイトは世界で、または日本でトップレベルの半導体企業であるため、企業の強みや成長戦略を知ることができるとともに、自分が興味のある分野とマッチする情報を見つけることができます。
半導体関連の就職情報サイトの特集やコラムを読む
半導体業界に特化した就職・転職エージェントや求人サイトでは、業界研究に役立つ特集記事やコラムが掲載されています。
半導体Jobエージェント
半導体業界をめざしている方なら、何はともあれまず入会しておくべきエージェントです。
半導体Jobエージェントは、半導体業界に特化し専門とした転職支援サービスであるため、半導体業界に詳しいキャリアアドバイザーが在籍しております。プロ中のプロとも呼べるキャリアアドバイザーたちが求職者の皆様のご希望を懇切丁寧にヒアリングさせていただき、各求職者様にベストな求人を提案してくれます。また、良質なエージェントの要件とも言うべき非公開求人も多数保有しております。求職者にあった最適な求人を精査し受け取ることが可能です。
さらに未経験者向けの求人も多く取り扱っており、現在働きながらの転職活動にはありがたい『土日祝日・夜間』の対応も可能です。登録するだけでキャリアアドバイザーのサポートが受けられます。エンジニア向け求人や転職ノウハウが豊富です。
アカリク
アカリク就職エージェントは理系大学院生やポスドク向けに特化した就職支援サービスです。専任キャリアアドバイザーが、個々のスキルや研究背景に合った求人を紹介提案し、就職活動を熱くサポートします。
《理系大学院生に特化》
★修士・博士・ポスドク向けに特化した求人案内
《専任アドバイザーによるサポート》
★大学院出身のアドバイザーが理系特有のキャリアを一緒に考えサポートします。
《高い選考突破率》
★選考突破率は驚異の80パーセント！最速2週間で内定も可能！
《幅広い求人を紹介》
★大手からニッチ企業まで様々な求人が紹介されます。
《すべて無料》
★サービスはすべて無料で利用可能。
アカリク就職エージェントは研究活動で培ったスキルを活かすチャンスを提供いたします。就職活動に時間が取れない方や専門外の職種に興味がある方にも最適なエージェントです。
タイズ
「タイズ」はメーカー転職専門のエージェントです。
メーカー特化型なのでパナソニック・ダイキン・村田製作所など大手優良メーカーへの転職支援実績を持っているだけでなく大手半導体関連への求人も豊富です。メーカーからの熱い信頼と強いパイプを生かして電気・電子・半導体関連の職種に絶大な強みを持っています。
タイズは2005年の創業から累計4万人以上の方が利用しており、キャリアアドバイザーの丁寧なサポートで初めての転職をお考えの方やキャリアアップ希望の方にも対応しています。利用者の満足度は92%と非常に高水準。登録さえすれば掲載していない独占求人や非公開求人もご紹介可能です。メーカーで働くエンジニア・技術者にはピッタリのエージェントです。
タイズは、業界未経験者が半導体業界へとステップアップできるような専門的なサポートを提供しています。求職者向けの教育プログラムや、半導体業界への理解を深めるための支援が特徴です。特に教育面や研修プログラムが充実しているため、業界未経験者でも安心して転職活動を始めることができます。
これらのサイトを活用すれば、半導体業界で求められるスキルや、各企業の採用動向を把握することができます。業界研究にあわせて半導体特化型エージェントへの相談は非常に有効ですのでこちらの記事を是非覗いてください。
新聞やニュースサイトで半導体に関する最新情報を得る
半導体業界は技術進化が早く、国際情勢や経済政策にも影響を受けるため、日々のニュースチェックが欠かせません。最新ニュースをチェックすることで、業界の変化に対応したキャリアプランを立てやすくなります。
情報収集に役立つニュースサイトとして次のものは、多くの半導体業界の経営層や関係者が閲覧しているので日常的に目を通すようにしましょう。
日経新聞（電子版）
『ビジネスリーダー必読！最新の業界動向を深掘り』
日経電子版は、日本経済新聞のデジタル版で、半導体業界の最新情報を網羅。企業の投資動向、政府の政策、グローバル市場の変化まで経営視点での分析が充実しています。特に日経テクノロジーオンラインでは、技術トレンドや業界インタビューが豊富で研究・開発者にも役立つ情報源となっています。
EE Times Japan
『エンジニア視点で読む！技術と市場の最新トピックを発信』
半導体業界の最新技術や市場動向を専門的に解説するメディアです。回路設計、製造技術、パッケージングなどエンジニア向け深掘り記事が満載です。半導体エンジニアが欲しい技術がいち早くキャッチできます。
TechCrunch Japan
『スタートアップ視点で見る半導体の未来』
TechCrunch Japanはテクノロジー系スタートアップやイノベーションに特化したメディアです。特にA I、IOT、自動運転といった最新技術のトレンドが半導体業界に与える影響を詳しく解説しています。新しい技術や企業の動向を知りたいならここをチェックするといいでしょう。
5. 半導体業界研究に特化した本を読むー最短で深い知識を得る最短ルート！
半導体業界の仕組みや歴史、最新トレンドを理解するには、本でのインプットが最も効率的です。書籍なら専門家が体系的にまとめた知識を、ネット情報よりも網羅的かつ正確に得ることができます。
- 『半導体の基礎知識』を一気に学べる。
- 『最新の業界動向』を理解できる経済・技術書
- 『キャリア戦略』に役立つ転職・企業分析本
あなたの目的に合った本を選び、確かな情報をもとに業界研究を進めましょう！
半導体業界研究に役立つ本
★『半導体業界の基本から最新動向を図解でわかりやすく解説！業界初心者も納得の内容』
半導体業界の基本から最新動向までを網羅。専門用語が多い業界でもこの本ならわかりやすく理解できます。業界研究を始めたばかりの方や、半導体業界への新卒で就職、未経験からの転職を目指す方々にぴったりの一冊です。
半導体の基礎知識が学べる本
★『半導体製造プロセスをわかりやすく学べる一冊！』
半導体業界の基本から最新動向までを網羅。専門用語が多い業界でもこの本ならわかりやすく理解できます。業界研究を始めたばかりの方や、半導体業界への新卒で就職、未経験からの転職を目指す方々にぴったりの一冊です。
